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内科・脳神経外科・糖尿病内科・腎臓内科の
浦安やなぎ通り診療所

下痢・便秘

■下痢

1日に3回以上の軟便~水様便がみられることを言います。急性下痢とは2週間以内、慢性下痢とは1カ月以上続くものを指します。その原因として、浸透圧性下痢(乳糖や甘味料(キシリトールやソルビトールなど)、下剤(酸化マグネシウムなど)、経管栄養)、

分泌性下痢(多くの感染性下痢症(コレラや毒素原性大腸菌))、浸出性下痢(粘膜の傷害・破壊により粘液や血液などが産生される)などがあります。

感染性の例では赤痢菌、サルモネラ菌など。非感染例としてはCrohn病、潰瘍性大腸炎、大腸癌など、吸収不良、腸管閉塞・狭窄、腸管運動異常(下剤の使用、手術による腸管切除、消化酵素の不足・欠乏、糖尿病・強皮症による腸管運動異常、細菌異常繁殖、悪性腫瘍による腸管閉塞・狭窄、過敏性腸症候群、ホルモン産生腫瘍による機能的腸管運動異常、甲状腺機能亢進症)などが見られます。

①メカニズムにより分類する方法

浸透圧性下痢、分泌性下痢、浸出性下痢など

特に感染性か、非感染性の原因かを考えるときに有用な分類法です。

②“大腸型”下痢と“小腸型”下痢の鑑別

“大腸型”とは、微生物や毒素により”腸管粘膜が破壊”される病態が基礎にあり、そのため粘液便、渋り腹(テネスムス)、便中白血球、腹痛、発熱などが見られます。

代表例には赤痢菌,サルモネラ菌などがあります。

“小腸型”は、微生物やその毒素による”小腸からの分泌物の増加”が原因であり、基本的には組織破壊を伴わないので粘血便や発熱などがないか、あっても軽度です。

このグループの代表にはコレラ菌やウイルス性腸炎などがあります。

➡︎抗菌薬の使用を検討する場合

・旅行者下痢症で以下の症状を伴うとき(4回/日以上の下痢、発熱、血便、膿便)

・1日8回以上の下痢で以下の症状を伴うとき

(高熱、血便、脱水、1週間以上続く、入院を要するレベル、免疫抑制状態など)

■便秘

週3回以上の排便があれば、病的ではありません。便秘の原因として、①生活習慣(食物繊維の摂取不足、運動不足)、②腸の病気や骨盤底の病気、神経の病気など、③薬剤性などがあげられます。明らかな原因が特定できない特発性便秘症には、結腸通過正常型、結腸通過遅延型、機能性便排出型に分けられ、それぞれ対処が異なります。

・結腸通過正常型

水分、食物繊維の十分な摂取

浸透圧性下剤の使用(酸化マグネシウム、ポリエチレングリコール(モビコール) )

※ルピプロストン(酸化マグネシウムが効果不十分や使用できない場合)

・結腸通過遅延型

酸化マグネシウム ルビプロストン

他、プロバイオティクス、消化管運動改善薬

※食物繊維の摂取増加は、便の容積が増加するため、病態が悪化してしまうため

・機能性便排出型

骨格定筋群の協調性運動障害で、基本的に下剤は無効

レシカルボン坐剤や浣腸の適宜使用

<当院での診療と検査>

下痢に対しては、必要時には、便培養検査などを行います。

下痢・便秘が改善しない場合、腹部レントゲン検査、腹部CT検査などを行います。内視鏡検査による精査が必要な場合は、近隣専門医療機関に紹介させていただきます。