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内科・脳神経外科・糖尿病内科・腎臓内科の
浦安やなぎ通り診療所

頭を切った 〜頭の傷の処置について〜

皮膚が切れたりした場合、キズの処置が必要になります。

大切なことは、「止血」と「感染予防」です。

出血が少量であれば、圧迫処置により、止まることがほとんどです。

創部は、水道水などで、キレイに洗い流すことが重要です。

創部が深い場合は、縫合処置を必要とします。

 

⬜︎ 抜糸(抜鉤)について

縫合処置後1週間程度が目安です。顔面の場合は3〜5日程度です。

⬜︎ 消毒について

キズを水道水で洗うだけで感染が十分にコントロールできると考えられます。キレイなキズであれば、頻回の来院は必要ありません。しかし、感染が疑わしい場合は、頻回の観察が必要になります。

⬜︎ 創部の観察について

創傷被覆材やフィルムで覆われていなければ、1日1回創部の観察をしてください。赤み、腫れ、痛みが増強したり、また高熱が出たり、浸出液の量が増えたり、色が濁ったり、臭いが出てきた場合は、創の状態が悪化している可能性があります。できるだけ早く診療時間内に受診してください。

⬜︎ 入浴・シャワーについて

入浴・シャワーは、基本的には可能です。創部は強く洗わずに、水道水で洗い流したり、刺激性の少ない泡の石鹸などで洗ってください。入浴後は、乾いた清潔なタオルで水分を拭き取ってください。

⬜︎ 創傷被覆材について

適切な湿潤環境にすることで治癒を早める材料です。

キズを密閉してしまうので、感染があるキズに用いると感染が悪化することがあります。入浴は可能ですが、被覆材が濡れると剥がれやすくなったりキズの部分と交通ができてしまったりするため、注意が必要です。キズからの滲出液(しんしゅつえき)が多く漏れる場合などはキズの観察や貼り替えが必要となりますので、診療時間内に受診してください。

⬜︎ 抗生剤の投与を検討する場合について(一般細菌に対して)

①汚染が強い場合
②受傷から処置までに時間が経過している場合
③コントロール不良な糖尿病など感染しやすい基礎疾患がある場合

などです。

⬜︎ 破傷風トキソイド、テタノグロブリン製剤について(破傷風菌に対して)

破傷風は、年間100例ぐらい発症しており、重篤な後遺症や死亡例も見受けられます。これを防ぐため、破傷風トキソイド、テタノグロブリン製剤の接種が推奨されます。

1967年以前生まれの方は、破傷風ワクチンの定期予防接種を受けていません。1968年以降生まれの方は、破傷風ワクチンの定期予防接種を受けています。

ワクチン接種が不十分で、創部汚染が強い場合 ➡︎  抗体を補充する必要があり、テタノグロブリンの使用が推奨されます。また、破傷風トキソイド計3回の接種も加えて推奨されます。

ワクチン接種は不十分で、清潔な傷の場合 ➡︎ 今後の感染予防として、破傷風トキソイド計3回の接種が推奨されます。

ワクチン接種が十分で、清潔な傷の場合 ➡︎ 破傷風ワクチン最終接種から10年以内なら接種不要です。期間が過ぎている場合は、1回の破傷風トキソイドワクチンの接種を行います。

ワクチン接種は十分ですが、清潔ではない傷の場合 ➡︎ 破傷風ワクチン最終接種から5年以内なら接種不要です。期間が過ぎている場合は、1回の破傷風トキソイドワクチンの接種を行います。

 

必要時には、創傷処置が専門の形成外科などにご紹介する場合があります。ご不明な点は、当クリニックにご相談ください。

止血困難など緊急時は、救急車、救急医療機関をご利用ください。

 

 

参照:日本創傷外科学会ホームページ/「外傷に対する破傷風予防」ドクターサロン588月号(7. 2014)