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内科・脳神経外科・糖尿病内科・腎臓内科の
浦安やなぎ通り診療所
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糖尿病治療薬 GLP-1受容体作動薬について
GLP-1とは、食後に腸管から分泌されるインクレチンというホルモンの1つです。
作用として、血糖値の上昇にあわせて
①膵臓に働いて、インスリンを出しやすくする
②グルカゴンという血糖を上げるホルモンを出しにくくする
③脳や消化管に働いて食欲を抑制し、体重減少にも働く
などの働きがあります。
GLP-1は、分泌されるとDPP-4という酵素により数分以内に分解されますが、1日1回や週1回の皮下注射により血中濃度を維持できるように作られたのが、GLP-1受容体作動薬です。
血糖値が高い時しか作用しないので、単独で使用する場合は、低血糖になる可能性はとても低い薬剤です。
どのような方に使用するか?
①インスリン分泌能が保たれている
②DPP4阻害薬では、効果が不十分
③食事摂取が不規則な方
④体重増加を避けたい方
⑤インスリン療法でも血糖コントロールが難しい方
⑥強化インスリン療法からBOT(血糖降下薬と持効型インスリン注射を使用する治療)への切り替えの時
⑦腎機能が低下している
⑧毎日の注射摂取、注射手技が難しい方(高齢者など)
など
使用が難しい症例
①インスリン分泌能の低い病態
②食欲抑制が過度に出てしまう方
など
出現する可能性がある副作用
消化器症状(嘔気、下痢)、過度な食欲抑制 など
現在、長時間作用型は週1回の皮下注射でよく、インスリン自己注射の難しい高齢者などで使用する場面が多くなっています。
注射針と一体になっており、手技も簡単にできるように作られています。
また、持効型インスリンとGLP-1受容体作動薬との配合注射薬が発売され、さらにGLP-1製剤が導入しやすくなりました。
経口のGLP-1作動薬も発売されています。