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内科・脳神経外科・糖尿病内科・腎臓内科の
浦安やなぎ通り診療所
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浦安やなぎ通り診療所
正常とは言えないが認知症とも診断し得ない,境界状態あるいは認知症の前駆状態とも呼ぶべき状態を『軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment)』と言います。
加齢現象なのか、認知症なのか、確実に判断するのは困難です。
MCIでは、物忘れの訴えや記憶力の低下などは見られますが、日常生活動作は正常です。日常生活動作は、以下のブログの中のSHAFTの項目をチェックしてください。
参照:−「私、認知症かしら」と心配な方− 日常生活の中のSHAFTを確認しましょう
このような状態から認知症に進行する割合が年間10%前後、改善する割合も14〜44%程度と言われています。
認知症を進行させないようにするには、身体疾患(生活習慣病)の管理・治療、頭部外傷への注意、禁煙、高カロリー・高脂肪食を避けるなどです。適度な運動、社会的交流、認知刺激(脳を使う、いろいろなものに興味を持つなど)などが、認知症を改善させる可能性があると言われています。
抗認知症薬の効果については、不確定で、発症を12ヶ月遅らせることが示唆されますが、それ以降の効果は認めませんでした。
MCIの状態なのか、認知症なのか短期間で診断するのはとても難しい場合があります。
ご本人も、ご家族の方も、慎重に経過を見て行き、認知症を進行させないような生活習慣を心がけましょう。
ご不明な方、ご心配な方は、当院「浦安やなぎ通り診療所」までご相談ください。
経過を追って、診察させていただきます。
参考:軽度認知障害(MCI)症例にはどう対応すべきか? 精神経誌(2009)111巻1号