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内科・脳神経外科・糖尿病内科・腎臓内科の
浦安やなぎ通り診療所
内科・脳神経外科・糖尿病内科・腎臓内科の
浦安やなぎ通り診療所
70歳代の女性の方です。
他院で脳ドックをうけたところ、報告書に『大脳白質病変』という結果が記載されていたとのことで、来院されました。
『大脳白質病変』は、主に脳M R IのF L A I Rという撮像で、大脳のなかに白く写ってくる所見です(矢印⇨)。
加齢や生活習慣に関連する脳小血管病の代表的変化で、脳血流低下などによる慢性的な脳虚血や血液脳関門の障害などによって生じると考えられています。
危険因子としては、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病、メタボリック症候群、喫煙などが知られています。
軽度のものは、病的な変化ではないとされていますが、中等度から高度のものは、神経の不完全な脱髄、微小梗塞、血管周囲腔拡大が混在し、主に慢性脳虚血を反映した変化と考えられます。
大脳白質病変は脳卒中発症の危険因子です。また認知症の独立した危険因子で、エピソード記憶や遂行機能に影響します。
特に脳室周囲の高信号域は、歩行速度の低下と、また、大脳深部や皮質下白質高信号域は、精神機能の低下に影響すると言われています。
大脳白質病変の管理は、無症候性脳梗塞と同様に高血圧管理とともに生活習慣病全般にわたる管理が重要です。
「大脳白質病変」とは
まとめ
①加齢や生活習慣に関連し、慢性的な脳血流低下などによりで生じた大脳の変化
②危険因子としては、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病、メタボリック症候群、喫煙など
③脳卒中発症、及び認知症の独立した危険因子で、エピソード記憶や遂行機能に影響する
④高血圧管理とともに生活習慣病全般にわたる管理が重要
参考資料:
脳卒中治療ガイドライン2015 日本脳卒中学会脳卒中ガイドライン委員会
脳ドックのガイドライン2019 日本脳ドック学会
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