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内科・脳神経外科・糖尿病内科・腎臓内科の
浦安やなぎ通り診療所
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「糖質の入っていない蒸留酒なら血糖値は上がらないでしょ」と、お酒を飲まれる糖尿病の患者さんから質問を受けました。
大体、正解ですが、注意すべきことが5つあります。
①アルコール自体は、体内でブドウ糖に変化しないため、血糖値は上がりません。
しかし、アルコールは、肝臓内のグリコーゲンをブドウ糖に分解することを促進させるため、一過性に血糖値は上がります。
②ビール、日本酒、ワイン、カクテル、甘い飲み物や果物の入ったサワーなど糖質が入っているお酒は、血糖値をあげてしまいます。
③アルコールには、7kcal/gのエネルギーがありますが、すぐにエネルギーとして使われてしまいます。
この際、肝臓がアルコールを分解する過程で、中性脂肪の合成が促進されます。
④アルコールと一緒にとったおつまみ中の糖質や脂質のうち、エネルギーとして使われない分は肝臓に体脂肪として蓄積されます。
⑤糖尿病の方が、お酒ばかり飲んで食事を十分に取らずにいると、肝臓内のグリコーゲンが減少しており、また、グリコーゲン以外の経路からのエネルギー産生が抑制されているため、低血糖も起こしやすい状態になってしまいます。
このように、適量をこえるアルコール摂取は、血糖値の上昇、中性脂肪の増加、体脂肪の増加につながります。
飲酒習慣のある生活習慣病の方は、飲むお酒の種類に気をつけ、節酒(適当な飲酒量)とバランスの取れた食事、および適切な食事量が重要になってきます。
お酒好きな生活習慣病の患者さんは、お酒の量を減らすことで、薬の量も減らすことが可能かもしれません。
以上の5つの注意点を思い出しながら、お酒を飲んでくださいね。