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内科・脳神経外科・糖尿病内科・腎臓内科の
浦安やなぎ通り診療所
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サルコペニアとは、加齢とともに筋肉の量が減少し、身体活動機能が低下した状態です。
筋肉量が一定以下まで低下すると、日常生活の動作が制限されるようになり、寝たきりや転倒骨折などを起こすリスクが非常に高まります。
高齢者では、筋肉量の減少に伴い、相対的に脂肪の割合が増加するため、いわゆる『サルコペニア肥満』の頻度が増加します。。
この対策には、サルコペニアを起こさせない適切なエネルギー設定(過度なエネルギー摂取制限は避ける)と有酸素運動、およびレジスタンス運動を行うことにより、骨格筋量や骨量を減らすことなく内臓脂肪を減少させる工夫が必要です。
食事療法では、タンパク質の摂取不足に注意する必要があります。
サルコペニア対策には、健康な高齢者のタンパク質摂取は、1.0〜1.2g/Kg目標体重/日以上、低栄養、または低栄養リスクがある高齢者では1.2〜1.5g/Kg目標体重/日が推奨されます。
運動療法では、レジスタンス運動を含む運動を週に2、3回、1回60分程度のプログラムを推奨しています。
この運動療法と食事療法を組み合わせることにより、身体機能低下の予防により効果的です。
【食事療法】(目安となるエネルギー摂取量)
総エネルギー摂取量(kcal/日) = 目標体重 x エネルギー係数
目標体重の目安
前期高齢者(65-74歳) : 身長(m)x 身長(m)x 22〜25
後期高齢者(75歳以上): 身長(m)x 身長(m)x 22〜25
エネルギー係数
軽い労作(大部分が座位の静的活動)25〜30 kcal/Kg 目標体重
普通の労作
(座位中心だが、通勤・家事、軽い運動を含む)30〜35 kcal/Kg 目標体重
重い労作(力仕事、活発な運動習慣がある)35〜kcal/Kg 目標体重
例えば、75歳 150cm 女性 家事などの普通の労作 の場合
目標体重の目安:1.5 x 1.5 x 30=67.5 Kg
エネルギー係数 30kca/Kg 目標体重 として
⇨ 総エネルギー摂取量 67.5(Kg) x 30(kcal/Kg) =2025 kcal/日
【運動療法】
有酸素運動:歩行、ジョギング、水泳など
レジスタンス運動:スクワット、つま先上げ・踵あげ、膝伸ばし、腹筋、ダンベル、自重トレーニングなど
参考資料:高齢者糖尿病治療ガイド2021