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内科・脳神経外科・糖尿病内科・腎臓内科の
浦安やなぎ通り診療所

新しい片頭痛予防薬(抗CGRPモノクローナル抗体製剤) エムガルティ® (ガルカネズマブ)

エムガルティ®の効果について

  • エムガルティ®は、片頭痛の発作回数を減らす注射製剤による予防薬です
  • 片頭痛発作時の血管拡張や炎症反応の直接の原因の一つであるCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)の働きを抑えることにより、片頭痛発作を予防します
  • 日本での反復性片頭痛の患者さんを対象にした試験では、片頭痛を月3.6日減少させました
  • また海外の慢性片頭痛の患者さんを対象にした試験では、片頭痛を月4.8日減少させました

 

エムガルティ®の最適使用について

 このエムガルティ®は、片頭痛の方が、どなたでも使用できる注射薬ではありません。

最適使用ガイドラインにそって、以下の条件の患者さんが適応となりますので、ご確認ください。

 ①医師に片頭痛と診断されていること

 ②片頭痛が過去3ヶ月の間で、平均して1ヶ月に4日以上ある方

 ③従来の片頭痛予防薬(プロプラノロール塩酸塩(インデラル®)、バルプロ酸ナトリウム(デパケン®)、ロメリジン塩酸塩(ミグシス®)等)の効果が不十分、または内服の継続が困難な方

*当院で治療中の方は治療経過、使用薬剤がわかりますので、使用可能かどうか判断できますが、
当院初診で治療ご希望の方は、今までの頭痛の経過、及び治療内容がわかりませんので、前医からの診療情報提供書、及びお薬手帳を必ずご持参ください。

*片頭痛の自己診断や発作回数が少ない場合、また予防薬を使用されていない症例では、使用することができません。

 

エムガルティ®使用による費用について

  • 保険適応の薬剤です
  • 自己負担3割で、1本(120mg)約13550円
  • これに、診察料などが必要になります
  • 初回は120mgを2本使用し、その後は、毎月1本使用します

 

エムガルティ®の副作用について

  • 注射部位の痛み(1%)や注射部位反応(紅斑、かゆみ、内出血、腫れなど)(14.9%)
  • 1%未満で、回転性めまい、便秘、じん麻疹など

 *頻度不明で、アナフィラキシー発症の可能性もあるため、注射後15分以上は院内での待機をお願いします。

 

当院におけるエムガルティ®治療の流れについて

 来院当日にすぐに使用することはできません。

一度受診していただき、診察します。適正使用かを確認し、効果、副作用、治療の流れをご理解いただいた上で、投与の予定を決めていきます。

 ①初回診察

  • 適正使用の確認
  • 投与日(注射日)を予約

 

    ②投与日(注射日)

  • 投与日に必ず来院してください
  • 皮下注射で、腹部、大腿部、上腕部、臀部などに行います
  • アナフィラキシー反応の有無を確認するため、注射後15分以上は院内での待機をお願いします

*キャンセルされる場合は、必ず30分以上前に連絡してください

*投与30分前に冷蔵庫から取り出し薬剤を常温に戻す必要があるためです。常温に戻した場合は、7日以内に使用しなければなりません。

*高価な薬剤ですので、無断でのキャンセルはお控えください。

 ③次回投与日(注射日)の予約

  • 1ヶ月間隔で投与をおこなっていきます

*効果は1ヶ月前後で現れます。3ヶ月経過しても改善がない場合は、使用の継続について検討します。

 

当院では、日本脳神経外科学会脳神経外科専門医が治療にあたります。

片頭痛でお困りの方は、ぜひ『浦安やなぎ通り診療所』まで、ご相談ください。

 

参考資料:

  • 最適使用推進ガイドライン ガルカネズマブ(遺伝子組換え)令和3年4月 厚生労働省
  • エムガルティ(ガルカネズマブ) インタビューフォーム 日本イーライリリー