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内科・脳神経外科・糖尿病内科・腎臓内科の
浦安やなぎ通り診療所
内科・脳神経外科・糖尿病内科・腎臓内科の
浦安やなぎ通り診療所
症例は、70歳代の女性の方です。
数ヶ月前から、右こめかみ付近を触ると、電気が走ったような鋭い痛みが、数秒から数分見られるようになったとのことでした。
「同じところを触ると、痛みが誘発されるんです。かかりつけの内科の先生に症状を話したところ、皮膚科を紹介されました。
皮膚科の先生からは、皮膚は特に問題ないので、頭痛専門の先生に見てもらいましょう、ということになり受診しました」ということでした。
痛みの特徴を整理すると、こめかみ付近の
①発作性の瞬間的な電撃様痙痛
②痛みは数秒から数十秒持続し、痛みが治まった後は,全く痛まない期間もある
③触る程度の刺激により痛みが誘発される
といった症状でした。
【三叉神経の診断基準】
顔面の感覚は、
おでこから、目の周囲、鼻の頭までを三叉神経第1枝
頬上部から、鼻の頭、上口唇までを三叉神経第2枝
こめかみから、頬上部、下口唇、下顎までが三叉神経第3枝
がそれぞれ支配領域です。
以上から、第3枝領域の三叉神経痛を疑いました。
【三叉神経痛の発生分布】
原因の多くが三叉神経周囲を走行する血管による三叉神経の圧迫が関与していると考えられています。
【三叉神経痛の分類】
この症例では、脳MRI、MRAを行いましたが、明らかな原因と考えられる病変は指摘できませんでした。
まずは、カルバマゼピンという、抗けいれん薬で疼痛をコントロールしています。
同じような症状の方でお悩みの方は、当院「浦安やなぎ通り診療所」までご相談ください。
参考:
慢性頭痛の診療ガイドライン2013 日本神経学会・日本頭痛学会
頭痛診療ハンドブック 中外医学社