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内科・脳神経外科・糖尿病内科・腎臓内科の
浦安やなぎ通り診療所

甲状腺機能低下症

甲状腺は、喉のやや下方の頚部に両側に広がる臓器でHの形をしています。

この甲状腺から、甲状腺ホルモン(F T3:フリーT3、F T4:フリーT4)が分泌されます。

このホルモンは、全身の細胞を活性化し、代謝を促進する働きを持っています。

そのため、このホルモンが低下すると、代謝が低下し、多岐にわたる症状が出現します。

 

【症状】

甲状腺機能が低下すると、気力がない、疲れやすい、むくむ、寒さに弱い、体重増加、動作が緩慢、眠りがちになる、記憶力低下、便秘、嗄声、肌の乾燥、生理不順、不妊等、様々な症状が現れやすくなります。

 

【診断】

以上の症状から、甲状腺機能低下症を疑った場合、甲状腺ホルモンやこれを制御する脳下垂体から分泌されるT S H(甲状腺刺激ホルモン)を測定します。

甲状腺ホルモンが正常よりも低い場合、甲状腺機能低下症と診断されます。

 

甲状腺機能低下症の原因となる病気として、最も多いのは、慢性甲状腺炎(橋本病)という病気です。

慢性甲状腺炎は、びまん性の甲状腺腫大が見られ、甲状腺に対する自己抗体(抗甲状腺マイクロゾーム(またはTPO)抗体や抗サイログロブリン抗体)により炎症が生じ、機能が低下します。中年以降の女性に多く見られます。

その他、萎縮性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎の一時期、薬物や食品によるもの、甲状腺手術後、ラジオアイソトープ治療後、脳下垂体の病気などが機能低下症の原因となります。

 

【治療】

甲状腺ホルモンを補充して機能の正常化をはかります。

TSHを指標に開始直後は、2〜4週毎に増量し、TSH(とFT4)が正常化したら,その投与量を維持していきます。空腹時投与のほうが,吸収は良好です。

症状改善には数ヶ月必要で、生涯にわたって、治療が必要になります。

 

*潜在性甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンが正常でも、それを調節するT S Hが高い場合があります。経過中に、甲状腺機能低下症に移行することがあります。挙児希望や妊娠中の方、再検後もT S H 10mU/L以上の方は、治療を開始します。それ以外でも甲状腺機能低下症状のある場合、甲状腺自己抗体陽性、バセドウ病治療後などの方は、治療を検討します。