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内科・脳神経外科・糖尿病内科・腎臓内科の
浦安やなぎ通り診療所

慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)

慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)とは、腎障害が慢性的に持続する病態です。

原因疾患として、糖尿病性腎症、糸球体疾患、腎硬化症、多発性嚢胞腎などがあります。

糸球体濾過量(GFR:glomerular filtration rate)と尿蛋白量から重症度を決定し、ステージにあった治療をすることで、心血管疾患の発症や末期腎不全への移行を抑制します。

 

何が原因で慢性腎臓病の状態になっているのかを調べることは大切です。

腎臓専門医へ紹介する基準として

①尿タンパク 定性2+、あるいは0.5g/日以上

②尿タンパクと尿潜血の両者がともに陽性(1+以上)

③腎機能がeGFR 50ml/min/1.73mm2未満に低下

40歳未満では eGFR60ml/min/1.73mm2未満

70歳以上では eGFR40ml/min/1.73mm2未満

があります。

病理学的検査(腎生検)を検討すべき基準とも考えられます。当院では、腎生検は施行できませんので、近隣施設の腎臓内科と連携させていただきます。

 

CKD重症度分類

以上の表は、CKDの重症度分類です。

重症度は、原疾患、GFR区分、蛋白尿区分を合わせたステージにより評価されます。

重症度が、色別に示されており、緑→黄→オレンジ→赤の順に心血管疾患発症や末期腎不全への移行リスクが高くなります。

 

CKDの管理・治療については、以下にまとめられます。

①生活習慣改善
禁煙、BMI<25

②食事指導
高血圧があれば、1日塩分6g未満
G3以降 蛋白制限食(蛋白質0.8〜1.0g/体重)
G4以降 蛋白制限食(蛋白質0.8g未満/体重)
高カリウム血症があれば、摂取制限

③血圧管理
降圧目標130/80mmHg未満

④血糖値管理
目標7.0%未満

⑤脂質管理
LDLコレステロール120mg/dl未満(可能なら100mg/dl未満)

⑥貧血管理
鉄欠乏があれば、鉄剤投与
G3以降で、Hb11~13g/dl目標 エリスロポイエチン製剤投与

⑦骨・ミネラル対策
G3以降で、血清P(リン)、Ca(カルシウム)、PTH(副甲状腺ホルモン)を基準値内に管理

⑧K・アシドーシス対策
高カリウム血症、アシドーシスに対する治療
G3以降で、原因検索、カリウム摂取制限、薬剤(ループ利尿薬、陽イオン交換樹脂など)

⑨尿毒症対策
G4以降で、球形吸着炭の使用

⑩そのほか(腎排泄性薬剤の投与量・間隔の調整)

 

生活習慣病から悪化していく腎臓病に、特効薬はありません。以上の管理目標を達成し、心血管疾患の発症や末期腎不全への移行を抑制しましょう。

 

参考:

CKD診療ガイド2012

エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018