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内科・脳神経外科・糖尿病内科・腎臓内科の
浦安やなぎ通り診療所

頭が痛い


頭痛

頭痛は、日本人の4人に1人が患っているといわれている疾患です。その原因は、多種多様であり、日常生活に影響を及ぼす頭痛や命に危険を及ぼす頭痛などもあります。当院では、頭痛によって生じるQ O Lの悪化が軽減するように、サポートしていきます。

 

■頭痛が起きる機序

頭痛は、なぜ起こるか? いくつかの要因があります。

①頭の中の圧(頭蓋内圧)が上昇する場合
例)脳腫瘍、脳出血、くも膜下出血、頭部外傷による頭蓋内病変(脳挫傷、硬膜外血腫、硬膜下血腫) など

②脳の周りの髄膜が、なんらかの原因で刺激を受ける場合
例)髄膜炎、くも膜下出血 など

③ホルモンの変動や様々なストレス(光、匂い、疲労、睡眠不足など)などが誘因となり、脳神経細胞やそのイオンチャンネルに変化が起き、異常興奮が起きます。これが、三叉神経節の神経細胞を刺激して、血管拡張や神経原性炎症が生じて、頭痛が出現します。
例)片頭痛

④運動不足、ストレスなどにより、筋肉の緊張からくる頭痛
例)緊張型頭痛

⑤その他

 

■一次性頭痛(機能性頭痛)と二次性頭痛(症候性頭痛)の分類

危険な頭痛の見分け方

一次性頭痛:片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛 など

二次性頭痛:くも膜下出血、脳出血、脳梗塞、脳動脈解離、脳腫瘍、髄膜炎、後頭神経痛、帯状疱疹による頭痛、副鼻腔炎による頭痛、薬剤乱用性頭痛、体位性頻脈症候群、脳脊髄液減少症(漏出症)など

*危険な頭痛を疑う特徴

①突然の頭痛

②今まで経験がない激しい頭痛

③いつもと様子が異なる頭痛

④頻度と程度が増していく頭痛

⑤50歳以降に初発する頭痛

⑥意識障害や神経脱落症状(手足のマヒやシビレ、しゃべりにくいなど)を伴う頭痛

⑦癌や免疫不全の状態を有する頭痛

⑧精神症状を有する頭痛

⑨発熱、項部硬直、髄膜刺激症状を伴う頭痛

このような頭痛の場合、原因精査のための検査が必要であり、専門医療機関への受診が勧められます。

 

■頻度の多い頭痛

片頭痛
【特徴】

側頭部を中心に、ズキンズキンと拍動性に感じる頭痛です。
悪心・嘔吐を伴い、日常生活に支障をきたしてしまいます。
光や音、匂いなどに過敏になるため、暗い静かな部屋で過ごします。
(学校や仕事を休んで寝ていたい)
多くは12〜24時間程度持続します。
頭痛が起きる前の前兆として、視野にギザギザした光(閃輝暗点)がチラつくことがあります

【治療】頭痛発作時には、痛みを抑える治療、非発作時には、予防的な治療・指導を行います

頭痛発作時:トリプタン製剤、その他の鎮痛剤

トリプタン製剤をタイミングよく服用することで、効果的に頭痛を軽減します。
非発作時:
1生活指導:ストレス、疲労、睡眠不足・過多、飲酒などの誘引を避けること
2予防薬:抗てんかん薬、抗うつ薬、カルシウム拮抗薬、漢方薬など
頭痛発作が月に数回以上の頻度や重症化が多い方は予防薬の内服が効果的な場合があります。

 

緊張型頭痛
【特徴】

頭が重いような、締め付けられるような頭痛(非拍動性)です

(後頚部から後頭部が張っている痛み、頭部全体をハチマキで締め付けられているような痛みなどと表現されます)
痛みの程度は、日常生活に支障を来すほどではありませんが、一日中すっきりしません
軽いめまい感や吐き気を訴える方もいます
肩のこりや首のこりが強い傾向にあります

長時間のデスクワークや勉強、長時間車の運転、ストレス、不安感、運動不足、眼精疲労、うつむき姿勢などが誘引になります

 

■時々、見かける頭痛

群発頭痛
【特徴】

1年の決まった時期、毎日の決まった時間帯に痛みが起こります
片方の目の奥を中心に、突き刺さるような、目をえぐられるような激しい痛みです
痛む側の目が充血したり涙や鼻水がでる
痛くてじっとしていられない(横にもなれず歩き回ってしまう)
20~30歳代の男性に多くみられます

【治療】頭痛発作時の対症療法として、スマトリプタンの皮下注射と100%酸素の吸入が行われます

 

副鼻腔炎による頭痛
副鼻腔は、おでこや目の下方などにある骨で囲まれた構造物で鼻腔と交通があります。風邪やアレルギーなどによる炎症などで粘膜の肥厚や滲出液の貯留が生じ、頭痛や顔面痛として感じます。おでこや目の奥が重い感じで来院される方がいます。

 

大後頭神経痛
片側の後頭部から頭頂部にかけて、チクやズキッ、ピリッなど電気が走るような瞬間的な痛みが特徴です。痛みは断続的で、痛みが集中して続く時間帯と全く痛くない時間帯があります。痛みのある部位の頭皮を触ると、痛みが誘発されます。首の骨の隙間から出る神経が過敏になって起こる“神経痛”がこの病気の正体です。通常は数週間程度で自然に消失していきます。痛みが強い場合、鎮痛剤やビタミンB12の投与などが行われます。

 

帯状疱疹による頭痛
頭皮から顔面に帯状疱疹が出現し、頭痛として来院される場合があります。痛みが皮疹に2、3日先行して出現することがあります。抗ウィルス剤と鎮痛剤で治療を行います。目の周りに起こる場合には、眼科での精査・経過観察も必要になります。

 

薬物乱用性頭痛
頭痛に対して使用した鎮痛剤の頻回の使用により(鎮痛薬単独では、3ヵ月以上にわたり15日/月以上、複数使用では、10日/月以上服用を続ける場合)、頭痛が連日続いてしまう場合があります。もし薬物乱用性頭痛が疑われる場合は、原因薬剤の減量、中止が必要になります。

 

■その他の頭痛

起立性頭痛

脳脊髄液減少症(漏出症):頭頚部の外傷、脊椎・脊髄手術、腰椎穿刺などが先行している場合が多いが、原因がわからない場合も見られる

体位頻脈症候群:自律神経の調節が関与する起立性調節障(POTS)のひとつで、小児でも見られる

脳脊髄液減少症
(発症2週間以内の特徴)
体位性頻脈症候群(POTS)
頭痛発症までの時間 頭をあげて15分程度経ってから 頭をあげた直後から
光過敏 あり なし
耳鳴り・耳閉塞感 あり なし
鎮痛薬 無効 無効
症状の日内変動 午後から夜にかけ増悪 午後から夜にかけ軽快

 

 

■危険な頭痛(入院加療が必要であり、専門医療機関に紹介します)

くも膜下出血
脳の周りにある血管が破れ、くも膜下腔に出血が生じます。突然の、今まで経験がない激しい頭痛で発症し、悪心・嘔吐、血圧上昇などを伴います。脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血では、再破裂予防のため手術が必要です。診断治療も含め、専門医療期間に紹介いたします。

脳出血
脳内に出血が起こることにより、手足のマヒ・痺れ、構音障害、失語症などの神経症状とともに、頭痛や意識障害を伴うことがあります。高血圧性脳出血の場合は、血圧コントロールが重要です。血腫量が多い場合、水頭症などの場合に緊急手術の可能性があります。

脳梗塞(ラクナ梗塞/アテローム血栓性脳梗塞/心原性脳塞栓症)
脳血管が閉塞することにより、手足のマヒ・痺れ、構音障害、失語症などの神経症状とともに、頭痛を伴うことがありますが、頻度は多くありません。脳の後方を走行する血管の閉塞による脳梗塞に起きやすいと言われています。

脳動脈解離
何らかの機序により動脈血管内腔(真腔)より血液が血管壁内に流入して(解離腔)、
血管壁の3層構造(内膜・中膜・外膜)が分離される病気です。外膜が破裂すると、くも膜下出血(出血型)に、解離腔が血管内腔に膨らんだ場合、血管内腔(真腔)を圧排、狭窄を生じて、脳虚血症状をきたします。(虚血型)、また、頭痛のみの発症(頭痛型)もあります。突然の、今まで経験のない頭痛の場合が多く、速やかに医療機関への受診がすすめられます。診断には脳MR検査が必要であり、必要時には近隣医療機関へ紹介いたします。

脳腫瘍
腫瘍による容積の増大により、頭の中の圧(頭蓋内圧)が上昇し、頭痛を感じます。初期には、早朝時に自覚することが多いですが、腫瘍の増大とともに、持続性となり、何らかの神経学的異常所見が出現します。

髄膜炎
髄膜炎は、発熱に頭痛を伴う場合に考えられます。脳の周りの髄液に炎症が波及し、頭痛を起こします。項部硬直などの髄膜刺激症状があり、髄膜炎を疑う場合は、腰椎穿刺による髄液検査で評価し、診断します。細菌性髄膜炎では、一刻も早い抗菌薬の投与が必要となります。無菌性髄膜炎では、安静経過観察で改善する場合が多く見られます。早急な髄液検査と診断が必要であり、専門医療機関へ紹介します。