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内科・脳神経外科・糖尿病内科・腎臓内科の
浦安やなぎ通り診療所

頭をぶつけた

頭をぶつけた際には、脳に様々な変化が起こる可能性があります。

特に、頭蓋骨の内側に急速に出血が起きた場合、生命に危険を及ぼすことがあります。

注意すべき症状として、

① 受傷時の意識消失

② 受傷前後の記憶障害(健忘)

③ 強い頭痛、徐々に強くなる頭痛

④ 継続する吐き気、繰り返す嘔吐

⑤ 意識レベルの低下(すぐに眠ってしまう)

⑥ 自分の状況がわからない、日付・場所がわからない、暴れ出す

⑦ 物が見えにくくなる、二重に見える

⑧ 手足の動きが悪くなる、しびれが起きる

⑨ けいれんを起こした など

以上の注意すべき症状に当てはまる、または疑わしい場合は、頭部の詳細な検査(頭部CTなど)と慎重な経過観察を必要とします。また、失神やアルコール飲酒時の頭部打撲では大きな衝撃になる可能性があります。抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)内服中の患者さんも出血を起こしやすく、頭部の詳細な検査(頭部CTなど)をおすすめします。

上記の症状がなければ、頭蓋内に急速に出血が起きている可能性は低いと考えられます。

中高年の方の場合は、1〜3ヶ月の経過で徐々に頭蓋内に血液がたまり、頭痛、認知機能低下、麻痺症状などが出現することがあります(慢性硬膜下血腫の可能性)。このような症状の際にも、頭部CT検査が必要になります。

 

・頭部切創について
皮膚が切れたりした場合、キズの処置が必要となります。大切なことは、「止血」と「感染予防」です。出血が少量であれば、圧迫処置により止まることがほとんどです。創部は、水道水などで、キレイに洗い流すことが重要です。創部が深い場合は、縫合処置を必要とします。

参照:頭を切った 〜頭の傷の処置について〜

 

・脳振盪

頭を強くぶつけた場合、脳がふられることにより生じる病態です。軽いものは、頭痛や吐き気、めまいなど、重度のものは、意識消失や健忘(記憶がなくなる、記憶できなくなる)などです。多くの症例で24時間以内に改善してきます。また、短期間に頭部打撲が繰り返されると、軽い頭部打撲であっても重症化する場合があります(セカンドインパクト症候群)。コンタクトスポーツを行う方は、注意が必要です。

参照:『脳振盪後の競技復帰について』

 

・頭蓋骨骨折

頭部打撲により、頭蓋骨に骨折が起きる場合があります。軽度の打撲では、まず起きることはありませんが、衝撃が強いと骨折が起きる可能性があります。頭蓋内に出血が起きると危険な状態に陥る場合もあります。

 

・急性硬膜外血腫

頭蓋骨骨折などにより、脳を覆う硬膜を栄養する動脈が損傷することで、急速に起きる出血です。危険な状態に陥る場合があり、緊急手術が必要になります。

 

・急性硬膜下血腫

脳を覆う硬膜の内側で、脳表の血管などに出血が起こり、脳の周囲に起きる外傷性くも膜下出血や脳挫傷が合併する場合もあります。出血量が多く、この血腫によるマヒや意識障害などが出現した場合には、緊急手術が必要になります。

 

・脳挫傷

脳にキズがついた状態です。これにより、出血が起きたり、傷の周りがむくんだりして、頭の中の圧が上がります。何か機能している(運動や感覚、言葉など)部位に起きると、その障害がおきます。また、てんかん発作の原因になることもあります。キズがついた部位が広範囲だと危険な状態に陥ったり、機能している重要な場所に起きると高度な障害が残る可能性があります。

 

・外傷性くも膜下出血

頭部外傷により、脳の周りにあるくも膜の下に出血がおきます。外傷で起きるくも膜下出血は、多くは静脈性の出血であり、急速に増加する可能性は低いです。経過観察で自然に吸収されていきます。

 

慢性硬膜下血腫

中高年の方の場合は、頭部打撲後約1〜3ヶ月の経過で徐々に頭蓋内硬膜下に血液がたまり、頭痛、認知機能低下、麻痺症状などが出現することがあります。もともと認知症のある方や両側性にたまると、麻痺症状がはっきりしないことがあります。日常生活動作の低下や寝ている時間が長くなったなどの症状で気付く場合もあります。治療は、局所麻酔下に穿頭し、血腫を取り除きます。ほとんどの症例で、症状の改善を認めます。再発率が高く5%前後に見られます。

 

当院では、頭部CTにて、詳細な検査が可能です。

浦安・南行徳地域で、頭部打撲でご心配なかた、キズの処置が必要な場合は、当院までご相談ください。

頭蓋内骨折や頭蓋内に出血がある場合には、入院加療が必要になります。そのような場合には、専門医療機関に紹介させていただきます。